ハンナの話を引っ張るのは蛇足でしょー、なんて思いながらシーズン2を観て、やっぱりシーズン1で止めておけばよかったよなぁ、って思ったのに、結局シーズン3が配信されるや否や、一気観しちゃいました。『13の理由』を。
まず言っておくと、『13の理由』シーズン3には、最後まで飽きずに観られるだけの、メリハリの効いた(効きすぎた)展開はちゃんと用意されています。
さらに、今シーズンはこれまで以上にミステリー仕立てで攻めてきてるし。
しかし。
「今シーズン、どうだった?」って聞かれると、多分私、こんな顔になっちゃうと思う↓
私をこんな顔にさせる理由は後々語るとして、まずはあらすじをさらっと紹介。
『13の理由』シーズン1~3あらすじ
シーズン1では、ハンナの残した13本のテープをもとに、クレイが彼女の自殺の理由を探っていく物語でした。その過程で、様々な人たちが彼女の死の原因になっていることが分かりました。
やっぱりシーズン1は別格。『13の理由』シーズン1原作はこちら↓
シーズン2では、ハンナを救ってくれなかった学校に対して、ハンナの母親が裁判を起こしました。多くの生徒たちが法廷で証言することに。
彼らは、シーズン1では向き合えなかったハンナの死、そして自分自身と向き合うことになりました。
裁判は学校側の勝訴。ブライスはその後婦女暴行で起訴されるものの、わずか3ヶ月の観察処分となります。
多くの生徒たちがハンナの死を乗り越え、前に進もうとする一方、タイラーは別の問題に囚われてしまい、最悪の破壊行動を起こすべく、学校に向かいました。
すんでのところでクレイがそれを阻止します。
シーズン3は、リバティーハイスクールに転入してきたアニという女の子のナレーションで、物語が進んでいきます。
リバティーハイスクールでホームカミング(学校のイベント)が開催されます。フットボールの試合で乱闘騒ぎが起こり、多くの生徒達が負傷しました。そして、その夜からブライスが行方不明になり、警察はクレイを疑い始めます。
『13の理由』シーズン2でタイラーが学校に乗り込もうとしていたあの日から8ヵ月後が、シーズン3の「現在」です。頻繁に現在と過去が入り混じって語られるので、混乱してしまうかも。
「現在」のシーンは、色の彩度が低く、暗め。ワイドスクリーンで映し出されます。
一方、「過去」のシーンは、明るい色彩で、フルスクリーンで映し出されます。
『13の理由』シーズン3感想と、私がこんな顔になる理由(※一部ネタバレあり)
「それはないわ」って白けてしまう瞬間がちょこちょこあったんですよね。
例えば、ブライスの死体が上がったとき、「死因は銃で撃たれたこと」って一報が入ったじゃない?
クレイはタイラーがまだ銃を持っていることに気がついて、思い切りタイラーを疑うんだけど、話を聞いてみて、結局タイラーを信じることにするの。
そしたら翌日、「ブライスは銃で撃たれていませんでした。あれは誤報でした。」ってメディアで報じられるわけ。
ここ、今シーズン1番白けたとこ。
そんなところがいちいち目につくんですよね。もう無理くり、みんなが怪しく見えるように演出されています。トニーの車も怪しい行動も、全然事件に関係なかったし。
そんな中でも、タイラーの再生物語は胸にせまるものがありました。
タイラーの傷が癒えていったのはもちろんクレイたちのサポートがあってこそだけど、タイラー自身が、差し伸べられた救いの手を拒否しなかったからなんだよね。
私がタイラーの立場なら拒絶してただろうな。だって、仕方なく世話してる感がハンパないじゃないですか。クレイですら面倒くさがってるときあったもんね。
それでも、救いの手があれば素直にすがりつく、というタイラーの姿勢は見習うべきだと思いました。
ブライスの描かれ方ってどうなの?
裁判後、ブライスは私立高校に転校。離婚した父親からは同居を拒まれるし、友人もいない、彼女にも振られ、世界から拒絶されたと感じるブライス。
1人になってしまったブライスは、これまでに自分がしてきたことが間違っていたということに気がつきます。
償いがしたい、まとまな人間になりたい、変わりたい。そんな思いを胸に、ブライスは、自分が傷つけてきた人たちに接触しようとします。
ドラマは、そんなブライスの真摯な態度や、孤独感を執拗に描き続けます。
この、まるでブライスへの同情を誘うかのような描き方に強く反発する視聴者が多いのはうなずけるんですよ。
連続レイプ犯ですからね、ブライスは。しかも法的な裁きからはまんまと逃げてしまっているし。
ブライスの心の内を描くことで製作陣が伝えたかったのは、「反省しているレイプ犯には同情すべき」ってことではなく、「どういう環境がブライスのような人間を作るのかを知るべき」ということなのかな、という風に私は受け取りました。
社会に犯罪者を生み出さないために、私たちが手を差し伸べたり、励ましたり、支えたりと、自分たちにできることを考えてみようよ、っていうような。
ちなみに私はこのドラマを観終わった後、子供の教育格差をなくそうと活動している団体に寄付を申し込みました。
アニはシーズン3きっての嫌われ者に…
ネット上で、視聴者から圧倒的に嫌われているアニ。Redditを見る限り、アニへの批判はこんな感じ↓
アニへの批判を要約すると…
「アニは新参者で、彼らの仲間でもないのに、なんでみんなの秘密をかぎ回ってるわけ?ナレーションはアニじゃなく、シェリかクロエにして欲しかったわ。」
…だそうです。
つまり、ハンナの死にも、ブライスによる暴行にも、タイラーのいじめにも、アレックスの自殺未遂にも、何の関係もない子が、誰に頼まれたわけでもないのに首を突っ込むのが不愉快だと。
アニがブライスの死の真相を探る理由が、ただの興味本位に見えるんですよね。
みんなはハンナの死やブライスの裁判を乗り越えてここまでやってきたんだよ!ってなるよね。
実はアニがブライスのことを本気で愛してしまって、だからブライスの死の真相をどうしても知りたかった、とかだったらまだ納得できたな。(それはそれで強烈に反発を食らうだろうけど…)
とにかく、アニの存在意義がなさすぎるのがよろしくない。シーズン4では、アニにも後付けの秘密ができたりして…
『13の理由』ファイナルシーズンは次のシーズン4
『13の理由』はシーズン4がファイナルになる予定だそうです。
今シーズンの終わり方だと、シーズン4ではアレックスやモンティーの物語になりそうですね。
もうこうなったら最後まで付き合う所存なので、新シーズン情報もアップデートしていきたいと思います!
『13の理由』シーズン1の感想はこちら
シーズン1は最高だった…
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とうに大人になってしまった私にも刺さりまくる10代の苦悩。海外ドラマ『13の理由』に感情を揺さぶられまくり。
Netflixで配信されている『13の理由』。 いくら評判が高いとは言え、どうせ青春ドラマでしょ?こちとらアラサーだぜ?ティーンの苦悩なんて共感できるのかしら… とりあえずさわりだけ、と観始めたら… ...
『13の理由』原作(翻訳版)はこちら↓