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Netflix『ボージャック・ホースマン』シーズン6前半の感想・考察/ペットボトルの宇宙が見せるのはボージャックの痛みと苦しみ

投稿日:2019年11月9日 更新日:

Netflixで2014年から配信されているアニメ『ボージャック・ホースマン』が、ついにシーズン6で物語の幕を閉じようとしています。

今シーズンは前半パートと後半パートに分けての配信です。10月に配信されたファイナルシーズンの前半パート8話を観たので、その感想と考察を。

今シーズンではボージャックはリハビリ施設に入所して断酒中ですが、私は現在禁煙中です。依存度の深刻さは違えど、そんなわけもあって、今シーズンは余計にボージャックに共感しちゃいました。

さて。シーズン5まで、変わろうとして変われないボージャックを散々見せられてきましたが、最新シーズンでは、ついにボージャックが変わっていく様子を見守ることになります。

『ボージャック・ホースマン』シーズン6のあらすじとキャスト

これまでの『ボージャック・ホースマン 』のあらすじ感想はこちら↓

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ボージャック・ホースマン(声:ウィル・アーネット)

シーズン5のラスト、ダイアンの助けを借りてアルコール依存症のリハビリ施設に入所したボージャック・ホースマン。

リハビリを続けながら、ボージャックはアルコールにまつわる苦いエピソードを次々と思い出していきます。

ダイアン・ニュエン(声:アリソン・ブリー)

ボージャックの友人ダイアンは、企業や社会問題をリポートする動画コンテンツの制作を始めます。カメラマンのガイとの恋愛もスタートしますが…

ガイの声を演じているのは、『アトランタ』のダリウスでおなじみ、キース・スタンフィールド!

プリンセス・キャロリン(声:エイミー・セダリス)

慣れない育児に奮闘しますが、うまくいかずに自信をなくしていくプリンセス・キャロリン。子供の名前をつける時間もとれず、仕事とワンオペ育児のはざまで押しつぶされそうになります。

トッド・チャベス(声:アーロン・ポール)

プリンセス・キャロリンのマンションに居候中のトッドは、彼女の娘のベビーシッターをお願いされます。何をやらせてもなぜかうまくいってしまうトッドは、最高のベビーシッター(自称、赤ちゃん盛り上げ屋)に。

トッドの義理の父親も初登場。

ミスター・ピーナツバター(声:ポール・F・トンプキンズ)

ダイアンと離婚後、ピクルスと交際中のミスター・ピーナッツバター。ダイアンと浮気した事実をピクルスにSNSで流され、一気に世間の嫌われ者に。

『ボージャック・ホースマン』シーズン6の感想と考察

ミスター・ピーナツバターは迷走中

シーズン6で私が気になったのはミスター・ピーナツバター。いつも陽気でハッピーな男(犬)のはずが、前シーズンでダイアンと離婚してから低調気味なのです。

今シーズン、ミスター・ピーナツバターは、プリンセス・キャロリンのプロデュースでSAD DOG(悲しい犬)になり、さらに鬱病についての啓蒙キャンペーンまで敢行。

この展開を素直に見れば、

度を超えて陽気で能天気なミスター・ピーナツバターが、鬱の代表として振る舞う。

というギャップを面白がるべきなんだけど、実はそうじゃないんじゃないか、という気もするのです。

ミスター・ピーナツバターには、本当にメンタルな問題があるのでは?

そもそもミスター・ピーナツバターのメンタリティーって結構危うい気がするんですよね。

常軌を逸して陽気で能天気。人の内面に興味がない、一人でいられない、自分より10も20も若い女性としか付き合えない。

フェアな関係でいるために自分の恋人に浮気をさせる、とか、もう狂気の沙汰ですよね。そんなこと続けてたら自我が崩壊しちゃいそう。

ミスター・ピーナツバターとボージャックが過去のドラマセットに出くわし、ついにクロスオーバーが叶うシーンがあるんですが、感極まってミスター・ピーナツバターが泣き出してしまいます。

感動のシーンでもあるのですが、人前で涙を抑えられないほどミスター・ピーナツバターの心が脆くなっているような気がして、なんとも物悲しいな気持ちになっちゃいました。

ファイナルシーズン後半では、自分の問題と奮闘するミスター・ピーナツバターが見られるかもしれないですね。

ペットボトルに映る宇宙

ボージャックがリハビリ施設で戒めのように持っていたウォッカの入ったペットボトル。

ボージャックがそれを見つめるとき、ペットボトルの中の液体に宇宙が映ります。

一体どうして"宇宙"なんだろう?と不思議に思っていたんですが、以前のシリーズを見返していて気がつきました。

この宇宙は、あの夜、サラ・リンと見たプラネタリウムの宇宙なんですね。

ボージャックはペットボトルの宇宙を見るたびに、アルコールと結びついた辛い体験や人を傷つけたことを思い出します。

サラ・リンと見た宇宙はボージャックにとって、アルコールまみれの後悔と罪悪感と自己嫌悪感の象徴。

リハビリ前のボージャックなら、そんなものと向き合う前に、ウォッカを飲み干して全部うやむやにしようとしただろうけど、今のボージャックはただその痛みを受け入れます。

そんなボージャックを見ていると泣けてきちゃってしょうがない。

オープニングはボージャックの負の歴史

アルコール依存のリハビリを始めてから、ボージャックは自分と向き合うために過去の出来事を思い返すようになります。

オープニングテーマとともに映し出されるのがその過去の出来事であり、それはボージャックの負の歴史です。

『馬か騒ぎ』の楽屋

ヘアメイクから、「緊張をほぐすために」と勧められお酒を飲み始めたボージャック。

親友だったハーブの解雇を後押し、自分の不始末を隠すためにヘアメイクも解雇し、家庭環境に悩んでいたサラ・リンにも冷たく接します。

ボージャックが心から謝って埋め合わせをしようとしても、ハーブにもサラ・リンにも間に合いませんでした。

かつて恋心をもった相手が住むニューメキシコ

当時ハーブの恋人だったシャーロットに会いに、ボージャックがニューメキシコを訪れたときですね。

ボージャックはシャーロットの17歳の娘ペニーにせまられているところをシャーロットに見られて失望されてしまいます。

「自分は拒んだがペニーの方から言い寄ってきた」と言いながら、「あの時シャーロットに見つからなかったとしても、自分はそれ以上のことはしなかったのだろうか」と、ボージャックは悶々と悩むことになります。

他にも、『セクレタリアト』元監督ケルシーに謝ることができなかった水中映画祭や、最後まで分かり合えなかった母親のお葬式、鎮痛剤依存症になってジーナの首を絞めてしまった『フィルバート』のプレミア試写会、そして『馬か騒ぎ』の成功をハーブと誓ったグリフィス天文台などが映し出されます。

見ているだけで胸が張り裂けそうになりますね。このオープニングは地獄絵図です。

『ボージャック・ホースマン』ファイナルシーズン後半の配信日は?

ファイナルシーズン後半の配信は少し間が空いて、2020年1月31日。

前半のラストは、サラ・リンやニューメキシコの件で今後一悶着起こりそうな展開になってしまいました。

やっとボージャックが自分の問題と向き合うことができて、良い方向に歩き出したと思ったら…

新しい仕事も手に入れ、ついにトレードマークのあのジャケットも脱ぎ捨てたというのに…

ボージャックはどんな風に過去と折り合いをつけるんでしょうね。

後半パートでも、ボージャックの断酒が(ついでに私の禁煙も)うまくいっていますように…。

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