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『ボージャック・ホースマン』はアニメだと思って舐めてかかると火傷するよ

投稿日:2018年10月11日 更新日:

落ち目のセレブでアル中の「馬」の物語に、こうも心が震えてしまうとは。

Netflixの『ボージャック・ホースマン』ですが、見事に心を持っていかれました。とんでもなく面白かったし、とんでもなく刺さりました。

これまでも、大人を魅了してきた海外のコメディーアニメっていろいろとありましたよね。

「シンプソンズ」「ビーバス&バッドヘッド」「サウスパーク」「ファミリー・ガイ」などなど、ブラックジョークや下ネタ満載のアニメが。

それぞれ「笑える」という意味で面白かったんですけど、こんな風に心を揺さぶる面白さに出会ったのは初めて。

『ボージャック・ホースマン』のあらすじと感想を、ボージャックのインスタの投稿画像とともに紹介していきます。

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『ボージャック・ホースマン』シーズン1のあらすじ

1990年代に「馬か騒ぎ(ばかさわぎ)」というシット・コムの主演を務めたボージャック・ホースマンは、その後ヒット作にも恵まれず、今やアル中で落ち目の俳優。

昔の稼ぎでハリウッドにある豪邸に住み、居候のトッド・チャベスと自堕落な生活を送る毎日。

エージェントで元恋人のプリンセス・キャロラインが、出版社からボージャックの自伝出版の仕事をとってくるが、ボージャックはまったく書き進められない。

しびれを切らした出版社が、ダイアン・ニュエンというゴーストライターを雇い、ボージャックの半生を代筆することになる。

ちなみに、作中作の「馬か騒ぎ」は、原題の"Horsing Around"の直訳で「ばか騒ぎ」という意味。

私が『ボージャック・ホースマン』に惹きつけられる理由

ボージャックがどこまで堕ちていくのかが気になる

一言で言えば、ボージャックはダメ人間(馬)。仕事をせずに過去の栄光にすがって飲んだくれてばかり。

ついでに女癖も悪く、女性を真剣に愛することができない。自宅では自分の主演作品「馬か騒ぎ」のDVDを何度も繰り返し観ています。

居候のトッドに対しては、馬鹿にして、ののしってばかり。自己中で、思いやりがなく、怒りっぽくて…

…うわ、すごい。ボージャックの悪いところを書き出したらきりがない。

まぁ、とにかく、『ボージャック・ホースマン』を1話でも観れば、ボージャックがいかに嫌な奴なのかはすぐに分かってしまうこと。

しかし、ボージャックは自分でも自分が嫌だと思っているんです。変わりたいとも思っていて、努力をすることもあるんだけど、やっぱりうまくいかない。

自分が損をしてまで他人を助けられないし、辛い思いをしてまで何かをやり通すことができないんです。

ボージャックが友人の夢をサポートをしようと思い立って、しばらくの間真剣に応援することがありました。

でも、友人の夢が叶いそうになったとき、その成功を阻むためにボージャックは裏から手を回し(性格俳優マーゴ・マーティンデイル が暗躍!)、彼の夢を台無しにします。

結局、その友人が成功して自分から離れていくのが怖かったんでしょうね。

(ちなみに実際のマーゴが活躍するドラマはこちらです。さすがの演技力↓)

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ボージャックもそのときは気にする素振りは見せないけれど、罪悪感が"おり"のように自分の中に積もっていって、結局自己嫌悪に陥るんです。それでまた変われない自分が嫌で悩んで…。

程度の差こそあれ、こういうことって誰にでもあることじゃないですか?

私も覚えがあります。でも、多くの人はどこかで踏ん張って努力してみたり、諦めて状況を受け入れてみたり、折り合いをつけて生きていくんですよね。

でもボージャックはそうじゃない。なまじお金を持っていて、華々しい過去の栄光があるから、ずっと堕ちていけちゃう。

ボージャックはどこまで堕ちていくのでしょうか?それともどこかで折り合いをつけるのでしょうか?

ボージャックを取り巻くキャラクターが濃い

トッド(人)

ボージャックの家に居候している青年。素直で思いやりのある平和主義者。

抜けているように見えるけれど、バカバカしいアイディアを思いついては実行していき、なんだかんだ楽しく生きている。

ボージャックにバカにされているけれど、実は彼が一番の成功者かもしれない。『ブレイキング・バッド』のジェシー役で有名なアーロン・ポールが声優をしているんだけど、異常に間延びした喋り方がトッドにぴったり。

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ダイアン(人)

ボージャックのゴーストライターでフェミニスト。性格も価値観もボージャックとは全く重なる部分がないのに、ボージャックが唯一心を許して話せるのがダイアンなんです。

真面目な性格で、信念を曲げずに生きていこうとしているのですが、意外と打たれ弱いところも。そんな性格が災いしてか、シーズンが進めば進むほどダイアンの人生はうまくいかなくなっていきます。

プリンセス・キャロライン(猫)

ボージャックの元恋人で、ボージャックのエージェント。前向きでキャリア志向が強い。

強くてタフなキャリアウーマンを体現したかのような彼女だけれど、仕事だけの人生に孤独を感じています。

一生懸命やっているのに、ボージャックに振り回される彼女はいつも損な役回り。

ミスター・ピーナッツバター(犬)

いつも陽気で博愛主義者な俳優。誰からも愛されるミスター・ピーナッツバターは、まさにボージャックとは対照的な男。

能天気な彼の存在があって、ボージャックやダイアンの苦悩がより際立つんですよね。

人畜無害なおバカキャラかと思いきや、最新シーズンでは、内省を促されるようなショッキングな事実に気づいてしまいます。

ドラマではできない演出で魅せる

私が一番心に残ったエピソードは、シーズン5の『チュロスはただで(Free chrro)』。ファンの間でも傑作と言われているエピソードです。

ある葬式のシーン。ボージャックの親しい者の死という、重く悲しいエピソードでしたが、その見せ方が衝撃的でした。

故人が入った棺を横目に、バーガーショップであった出来事を、ボージャックが話し始めます。

そして、故人への思い、故人が亡くなる直前に言った言葉、その言葉を聞いたときの思いなどを話し続け、約25分間のエピソードが終わるのです。

ボージャックが葬儀場で延々と話しているだけで、エピソードが終わるんですよ?何これ、すごすぎる。

そのスピーチからは、ボージャックが強烈に故人の愛を渇望していたことが伝わってきて泣けます。

それでいて最後にはしっかりオチもついているし、完璧な演出。

他にも、海中の映画祭にボージャックが出席するエピソードがあるんですが、水中だから声が出せないんです。エピソード1話分、主役が喋らないっていう。

そして当然、エピソードの最後には最高のオチがついています。

『ボージャック・ホースマン』は物語自体も面白いのに、その見せ方が常に秀逸なんです。

ゲスト出演する俳優陣がすごい

『ボージャック・ホースマン』の舞台はハリウッド。それゆえに、有名な俳優たちが本人役で出演することも多くあります。

例えば、ダニエル・ラドクリフはミスター・ピーナッツバターがホストを務めるバラエティーに出演していたり、ナオミ・ワッツはボージャックとドラマの共演をし、ジェシカ・ビールにいたっては、ミスター・ピーナッツバターの元妻(←準レギュラーの勢いで出てます笑)。

フェリシティー・ハフマンは下品なバラエティーショーのホストをしているし、なんとポール・マッカートニーまで出演しているんです。

忘れてはいけないのは、ジェシカばりの準レギュラー、性格俳優マーゴ・マーティンデイル。なぜかいつも、ボージャックが危ない依頼ばかりする人。

他にも、本人役ではなくても、ドラマ好きには馴染みのある俳優たちが出演していたりするので、そういう見方をしても面白いですよ。

『Mr.ロボット』のラミ・マリクが陰気な監督のフリップ役で出ていたり、『フレンズ』のリサ・クドローはボージャックの恋人ワンダ(ふくろう)として、『ウェスト・ワールド』のジェフリー・ライトはコメディー脚本家(…げっ歯類の何か)として出演しています。

他にも有名な俳優たちが出ているので、気になる方はぜひ調べてみてください。

最後に

アニメだと思ってなめてかかると火傷すること必至の本作。2020年1月に完結した『ボージャック・ホースマン』。ぜひじっくりと観てみてください!

(↓よくボージャックのコスプレしてる人たちが被ってるやつ発見!)


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