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『ブレイキング・バッド』続編『El Camino エル・カミーノ』は、ギリガン監督から贈られたイースターエッグの詰め合わせギフト。

投稿日:2019年10月28日 更新日:

2019年10月11日、もはや伝説と言っても過言ではない傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』の続編『El Camino(エル・カミーノ)』が2時間の映画としてNetflixで配信されました。監督は『ブレイキング・バッド』同様、ヴィンス・ギリガンです。

私は事前にドラマシリーズをおさらいし、会社PCの壁紙も『El Camino(エル・カミーノ)』仕様にし、万全の体制で観賞しました。

…感無量。ドラマ本編で描かれなかったジェシーの苦しみや、彼が辿り着いた地を知ることができて大満足です。

さらには本家の小ネタ(イースターエッグ)も盛りだくさん。

しんみりしたりニンマリしたりで忙しくもあっという間の2時間でした。

注意

ちなみに、『ブレイキング・バッド』のストーリーや登場人物などについては映画の中でまったく説明がありません。続編なので当然と言えば当然なのですが、『ブレイキング・バッド』未視聴だと楽しめない映画ですので、お気をつけください。

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映画タイトルの『El Camino(エル・カミーノ)』とは

El Camino(エル・カミーノ)は車の名前。『ブレイキング・バッド』のラストでジェシー(アーロン・ポール)が疾走していたあの車です。もともとは天然サイコパス、トッドが乗っていた車ですね。

ドラマ『ブレイキング・バッド』の結末(ネタバレ)

映画『El Camino エル・カミーノ』は、ドラマ『ブレイキング・バッド』のラストシーン直後から始まります。

私は映画のために、最終シーズンを復習しておきましたが、やっぱり細かいところを忘れてしまってました。

では、ドラマ『ブレイキング・バッド』の結末がどうなっていたかというと…↓

ポイント

ちょっと長いので、ストーリーを覚えている方は飛ばしてくださいね

ウォルターはトッドの叔父のジャックらに、ジェシー殺しを依頼。ジェシーがハンクとともに現れたため、殺しの依頼は中止するとジャックに伝えます。しかし、暴走したジャックがハンクを殺してしまいます。

ジェシーを殺すつもりのジャックに、トッドは、「ジェシーにメスを作らせてはどうか」と提案します。愛しのリディアが喜ぶ、純度の高いメスが欲しかったんだよね、トッドは。ジェシーは数ヶ月に渡り、監禁されることに。

ウォルターはソウルのツテで人消し屋エドの元へ。大金を払い、新しいIDを手に入れ、ニューハンプシャーの山小屋へ逃亡。落ち着くまで山小屋にいるはずが、旧友シュワルツ夫妻のインタビューをテレビで観たことがきっかけで、山を降ります。

山を降りたウォルターが向かった先はシュワルツ夫妻の家。ウォルターはシュワルツ夫妻を脅して、自分の息子のジュニアに、自分が稼いだお金が渡るよう手配をします。

ウォルターは娘に会うため、スカイラーたちの暮らす家を訪れます。「これまでやってきたことはすべて"自分"のためだった」とスカイラーに告白して去っていくウォルター。

そしてウォルターは、最後に残った仕事を片付けに向かいます。

ウォルターが向かったのは、ジェシーがジャックやトッドたちによって監禁され、強制的にメスを作らされている隠れ家。

ウォルターが工作したマシンガンの仕掛けにより、ジェシーを監禁していたジャック一味は死亡。ジェシーは外においてあったトッドの車(エル・カミーノ)に乗り、叫び声を上げながら逃走します。

一方、ウォルターはメス工場に足を踏み入れ、愛しそうにそれらの器具に触れます。しかしウォルターが触れた場所には血の痕が。自分の仕掛けたマシンガンから被弾していたのです。

ウォルターはその場に倒れ、工場には警察が踏み込んできます。

あっという間に裏社会で頭角を現し、ハイゼンベルグという伝説を作り、最後はきっちり復讐を遂行して果てたウォルター。最後に映ったウォルターの顔が穏やかで満足気だったのが印象的でした。

映画『El Camino エル・カミーノ』あらすじ(ネタバレなし)

ドラマのラストでジェシーがエル・カミーノに乗って逃走した直後から、映画は始まります。

友人のスキニーやバッジャーたちの助けを借りて警察の目をかいくぐり、ジェシーはトッドの部屋を目指します。

トッドの部屋に隠されていた金を手に入れ、ジェシーが向かった先は…

映画『El Camino エル・カミーノ』ドラマシリーズからの出演者

さて、ドラマ『ブレイキング・バッド』から誰が出ているかというと…

ウォルター(回想シーン)

映画の後半、ジェシーはウォルターとのある会話を思い出します。二人は食べ放題のレストランで食事をしながら、"ジェシーの今後"について話しています。窓の外には二人がメスを作っていたあのRV車の姿も…。あぁ…このシーンはなんだか泣ける。

マイク(回想シーン)

シーズン5の頃だと思われますが、例のあの河原でマイクと話したことをジェシーは思い出します。マイクのジェシーへの愛情にも似た感情が染みる…。やっぱりこのシーンも泣ける。

バッジャー、スキニー・ピート

監禁されてた場所から逃げてきたジェシーを匿い、理由も聞かずに逃亡の手伝いをしてくれた二人。別れ際、「どうしてここまでしてくれるんだ?」と聞くジェシーに、「お前は俺のヒーローだからだYO!」って答えるスキニー。泣いちゃう。

ジェーン(回想シーン)

車を走らせながら、ジェシーが思い出すのはジェーンのこと。ドラマであの悲劇が起こったのは、二人で新しい生活を始めようとしていた矢先でしたよね。

トッド(回想シーン)

まずね、トッド演じるジェシー・プレモンスなんですけどね。撮影までに体しぼれなかったかな、って。映画の初登場シーンでみんな衝撃を受けたんじゃないかな。

トッド、2倍くらいに膨らんでるから。

体型の変化を除けば、さすがジェシー・プレモンスの演技力でした。ドラマシリーズから全くブレない。とことん危ないサイコパス。トッドの自宅もじっくり見られるので、トッドファンは必見ですよ!

他にも、ジェシーの両親や、廃車工場の"オールド・ジョー"、人消し屋のエドも出てきましたよ。

エドを演じたロバート・フォスターさんですが、映画配信日当日に病気で亡くなりました。ともすれば殺伐としがちな裏社会に関わるキャラクターを、一掴みの暖かさを添える素晴らしい演技で、エドの人間らしい印象を際立たせたロバートさん。楽しませてくれてありがとうございました。ご冥福をお祈りします。

『ブレイキング・バッド』ファンへのサービス満点なイースターエッグ

ガス・フリングのチキン屋「ロス・ポジョス・エルマノス」が「Twister」というファーストフード店に

映画が始まりしばらくしてに映るのは、「Twister」というファーストフード店。見覚えのある建物ですが…。そう、ガス・フリングのチキン屋「ロス・ポジョス・エルマノス」があった場所です。この「Twister」は実際に元々ここに建っているお店。『ブレイキング・バッド』の中で、「ロス・ポジョス・エルマノス」の店舗として撮影されました。

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ソウルの事務所が消えた

「Twister」に様変わりしたロス・ポジョス・エルマノスと同様に、弁護士ソウルの事務所も消えていました。ソウルはオマハに逃げましたからね。あの、安っぽさ全開の自由の女神像が見られないのは寂しい…。

トッドの部屋はイースターエッグだらけ

ジェシーがトッドの家を訪れたときの回想シーン。ジェシーと部屋の壁の色について話す中でトッドが「(壁の色は)イースターエッグみたいにしたかったんだけど」って言うんです。

トッドのセリフ通り、彼の部屋はイースターエッグの宝庫。ではどんな小ネタが隠されているかというと…

殺した少年のタランチュラ

ジェシーが、トッドの部屋を捜索中、トッドに飼われていたタランチュラに気がつきます。悲しいようなぞっとしたような表情でジェシーはしばらくの間タランチュラを見つめます。

それもそのはず、このタランチュラは、シーズン5でトッドが殺した少年ドリュー・シャープが持っていたもの。自分が殺した少年の持ち物を持ち続けるなんて、トッドのサイコパスっぷりが炸裂しています。

Vamonos pestのTシャツ

トッドの部屋でチラッと見えるのは、"Vamonos pest"と書かれたTシャツ。"Vamonos pest"はトッドがいた害虫駆除会社です。ウォルターがメス製造の隠れ蓑にしようとしていましたね。

こんなオシャレバージョンもあるのね↓


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リディアとトッドをモチーフにしたきっもいスノードーム

これは鳥肌ものですよ。どうやらトッドの趣味はスノードーム作りらしいんですよね。回想シーンでは、トッドの部屋に置かれている手作り感たっぷりのスノードームたちを見ることができます。

その中でも一際不気味なのが、リディアをモチーフにしたスノードーム。ティーカップに座るリディアと彼女を見つめるトッド…。

ただただ怖いわ!

以下、ストーリーについてネタバレしていますので、未見の方はこ注意を!

映画『El Camino エル・カミーノ』ネタバレあらすじと感想

ウォルターの物語はドラマで完結した一方、ジェシーの物語は途中でぶった切られたまま終わってしまったとも言えます。

いや、ドラマのフィナーレはあれ以上の終わり方が想像できないほど素晴らしかったんですよ。

しかし、ジェシーにも、彼自身の物語を完結させる権利があります。

そう、『エル・カミーノ』は、ジェシーの物語にしっかりと幕を引くべく作られた映画なんだと思います。

監禁から解放されたジェシーは、数時間前に自分が殺したトッドの自宅に向かいます。

回想で語られますが、監禁中にトッドの自宅に連れていかれたジェシーは、トッドが自宅に大金を隠していることを知っていたんですね。

ジェシーがトッドの金を手に入れた目的は、「人生をやり直すこと」でした。

そこで出てくるのが、人消し屋のエド。エドは表向きには掃除機販売店を営んでいますが、裏では法外な料金で依頼人の痕跡を消し、新しい人生を用意する商売をしています。

ドラマシリーズではウォルターやソウルがエドにお世話になってました。

ドラマでは、実はジェシーもエドに新しい人生を用意してもらう寸前まで行ったんですよね。

エドとの待ち合わせ場所まで行ったのに、ジェシーはウォルターの企みに気がつき、その場を離れてしまいます。このときジェシーは新しい人生を逃してしまいました。

しかし警察に追われている今、ジェシーが新しい人生を送るには何としてでもエドに依頼を受けてもらうしかないのです。そこでジェシーは新しい人生の代金、24万ドルを手に入れるため、トッドの部屋に忍び込んだのでした。

トッドの部屋から大金を盗み、エドに仕事を請けてもらったジェシー。ジェシーが新しい人生を始めるために選んだのは"アラスカ"でした。

回想シーンで、「やり直すならどこに行くか」とマイクにジェシーが相談していたんです。このシーンはシーズン5あたりですかね。列車から薬品を盗み出した後で、二人ともウォルターの仕事を抜けようと考えていた頃。

マイクは「俺ならアラスカへ行く」とジェシーに伝えます。(ちなみにこのシーンで二人がいた場所は、マイクがウォルターに殺された場所。)

ジェシーが新しい名前("ドリスコル"というのが新しい名字)とともに、アラスカの地へ足を踏み入れたところで映画は幕を下ろします。

ジェシーはこの後どうやって生きていくんだろうって考えたんですけどね。

まずはビジネスの学位を取るために大学に入るんじゃないかと私は思います。

回想シーンに出てきたウォルターは、ジェシーに、ビジネスやマーケティングの学位をとることを勧めていたから。

最後は強い憎しみを抱いた相手ですが、このときの二人の間には、暖かい気持ちの交流があったように感じたんですよね。

そして何よりも、ウォルターにしては珍しく、損得感情を交えずジェシーにアドバイスしていたから。

まだ若く、築き上げてきたものも少ないジェシーなら、きっと新しい人生をうまく乗りこなせるはず。

ウォルターに振り回されっぱなしだったジェシーには、報われてほしいものです。

さて、『ブレイキング・バッド』が好きなら好きなだけ楽しめる映画『エル・カミーノ』。逆に、ストーリーの面白さを求めて観ると肩すかしをくらうかも(ストーリー自体、特別面白くは…)。

この映画は、ドラマ最終回放送後6年の歳月を経て、ギリガン監督から贈られたイースターエッグの詰め合わせギフトみたいなものだと私は思っています。

本家『ブレイキング・バッド』(シーズン5だけでも)をおさらいしてから観ると、何倍も楽しめますよ〜!

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