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海外ドラマ『マインドハンター』シーズン2。のぞかずにはいられない深淵がある。/ネタバレなし感想と登場するシリアルキラーまとめ

投稿日:2019年8月23日 更新日:

先日、同僚が満面の笑みで「これ見ます?」って、そこはかとなく禍々しいオーラを放つ冊子を差し出してきたんですよね。

表紙に『シリアルキラー展』って書いてある冊子を。

同僚のすがすがしい笑顔が逆に怖かったよね。

『シリアルキラー展』は、コレクターが集めた実在のシリアルキラーたちの書いた手紙や絵を公開する展示会です。あの有名なジョン・ウェイン・ゲイシーのピエロの絵を見たことがある人も多いんじゃないでしょうか?

正直言って悪趣味の極みではありますが、見に行く人の気持ちは分からないでもないんです。怖いもの見たさ。好奇心。禁忌に触れる興奮。

シリアルキラーたちの"作品"が満載のパンフレットを読む私の頭の中をぐるぐる回っていたのは、ドイツの哲学者ニーチェのあの有名な言葉。

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

パンフレットを読んでいる内に、どんどん彼らに興味が沸いてきて、彼らの闇にのめり込みそうな予感がして怖くなりましたよ、私。

さて、シリアルキラーの”深淵”を覗きまくったFBIプロファイラーたちを描いているのが、Netflixドラマ『マインドハンター』

今月Netflixで配信が始まった『マインドハンター』シーズン2ですが、前作を越えて刺激的で強烈でした。

『マインドハンター』シーズン2は1話約1時間の全9話。殺人犯との対話、ジリジリと犯人に近づいていくプロファイリング。張り詰めた空気感と不気味さがたまらない素晴らしいシーズンでした。

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マインドハンター──FBI連続殺人プロファイリング班 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ドラマの主人公、ホールデンは、著者のジョン・E・ダグラスがモデルになっているそうです。

『マインドハンター』シーズン2あらすじ

前シーズンのラスト、「僕、結局何もわかってなかった!シリアルキラー怖いっ!」ってブルブルしてたホールデンは、パニック発作を起こしてあのまま一時的に緊急入院。

そんな中、ホールデンたちの所属するBSU(行動科学捜査班)のボスが退任し、新たな上司のガンが就任します。ガンはチームの活躍を大いに期待していて、広いオフィスを与え、プロファイリング手法を早急にまとめるようにチームに指示します。

同僚のビルがホールデンを迎えに行き、ホールデンは仕事に復帰します。

シリアルキラーとの面会のためにアトランタを訪れた際に泊まったホテルで、ホールデンは受付の女性から、地元の誘拐殺人事件の相談を受けます。

しばらくして、アトランタの事件は連続殺人の可能性があり、広域捜査が必要となったため、チームは正式に捜査に加わることに。

その頃ビルにはある問題が起こり、仕事とプライベートの問題の板ばさみで、ビルは精神的にも体力的にも追い詰められてしまいます。

『マインドハンター』シーズン2感想

シリアルキラーたちとのインタビューと実際の事件捜査が並行して進んでいくのが面白いところ。

さらに、ラスボス感あるシリアルキラー、BTKキラーの狂気が、エピソードの合間合間に映し出されるのも戦慄ものです。

今回メインとなる事件はアトランタ児童連続殺人事件。アトランタは黒人居住者の割合が非常に大きい都市で、KKK(クー・クラックス・クラン/白人至上主義組織)の活動も活発だったところ。

アトランタで黒人が殺されれば白人が犯人だという思い込みと、根強い人種差別のせいで、市警は捜査に二の足を踏んでいる状態でした。

そこで、プロファイリング、というか、持ち前の直感とシリアルキラーから得たヒントをもったホールデンが現場に参上するわけです。

もちろん、まだプロファイリングという考え方が浸透していない時代なので、市警からは大いに煙たがられます。

我が道を行くホールデン

前シーズンのホールデンは、若造が調子に乗りおって!感があったじゃないですか。

それが、エド・ケンパーにガツンとやられてから、ホールデンからは悟ったような印象を受けるんです。周りに惑わされず、しれっと我が道を行く、みたいな。

周りからは"直感"と言われていましたが、ホールデンのプロファイリングは精度を上げていきます。

ただ、ホールデンの危うさが半端ない。

またどこかで、ダーン!って奈落の底に叩きつけられそうな予感がすごい。

ホールデンのお目付役、ビルが抱える問題

面談でも、あからさまにシリアルキラーに嫌悪感を出していくビル。新しい上司からホールデンのお目付役を言いつけられますが、プライベートでトラブルが起こり、それもままならない状態に。

ここ、次のシーズンにも続く話だと思うけど、安易な展開にならないことを切に願ってしまう。トラブルの原因となったあの人が、後々面談の対象者になるとか、そういうのはやめてほしい…。

シリアルキラーたちの狂気を覗き見

シリアルキラー展もそうですけど、人は、人の持つ闇を、安全な場所から見ていたい欲求が我慢できないんでしょうね。私もそう。

劇中のシリアルキラーたちのインタビューの内容は、恐ろしくて、不快で、おぞましいのに、つい聴き入ってしまう。

でも、結局彼らの心なんて本当のところは分からないんですよ。プロファイリングの体系化に必要な部分をピックアップすることはできるけど。

だからこそ知りたくなるんですよね、彼らの心の奥を。

しかしプロファイラーや研究者たちはそれじゃダメで、あくまでも、閉まった窓越しに覗くようにしないといけない。一線をひかないと、何も理解できないまま、あちら側に引き込まれてしまう。

ホールデンの危うさは、シリアルキラーたちを前に、窓を開け放しているように見えるところからくるんだろうな。

『マインドハンター』シーズン2でインタビューされるシリアルキラー

『マインドハンター』シーズン2で、ホールデンたちとインタビューするシリアルキラーたちを、さらっと紹介します。テキストをたたんでおくので、不快に思う方はクリックせずに飛ばしてください。

+クリックすると読めます。

エド・ケンパー

1973年逮捕。祖母殺しから始まり、10名の女性を殺害。終身刑。

デビッド・バーコウィッツ

1977年逮捕。"サムの息子"という名前で警察に支離滅裂な手紙を送りつける。6名殺害。精神異常で無実を訴えるが認められず。懲役365年。手記出版による収益を取り上げることのできる「サムの息子法」は、出版社が彼の手記に多額の報酬を提示して手記のオファーを出したことが問題視されたことから制定されました。

チャールズ・マンソン

マンソンファミリーと呼ばれたカルトコミューンを率いる。女優のシャロン・テートを含め、5人の殺害をファミリーに実行させた。1969年逮捕。終身刑。2017年死去。

エルマー・ウェイン・ヘンリー・ジュニア

ディーンコール*から金をもらい、少年たちを斡旋。一部、ディーンとともに殺害に及ぶ。ディーンの元に少女を連れていったことがきっかけで暴行を受けそうになり、ディーンを殺害。1973年逮捕。懲役597年。

*ディーン・コール(ウェインのインタビューの中で語られるのみ)

母のキャンディー屋のキャンディーを少年たちに配っていたことから"キャンディーマン"と呼ばれた。28人以上の少年を殺害。1973年、仲間だったウェインに殺害される。

ウィリアム・ハンス

女性兵士を含む4人の女性を殺害。警察の捜査撹乱のため、"悪の力"という名前で警察に手紙を書いた。1978年逮捕。1997年死刑執行。

ウィリアム・ジュニア・ピアース

9人を強姦、殺害。1973年終身刑。

辻一弘氏による特殊メイクの素晴らしさ

本人と見間違うほど酷似した劇中のマンソンとバーコウィッツですが、彼らのヘアメイクを担当したのが、辻一弘氏。彼は、映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でアカデミー賞を取ったヘアメイクアーティストです。

実際のバーコウィッツ↓


週刊マーダー・ケースブック 20号 '96/2/20 サムの息子ニューヨーク連続殺人

こちらは劇中のバーコウィッツ。似すぎて腰が抜ける↓

実際のチャールズ・マンソン。若いけど↓


Lie: The Love And Terror Cult

こちらは劇中のマンソン↓

ちなみにこちらはバンドのマリリン・マンソン↓


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『マインドハンター』はシーズン5まで製作の予定

現時点での話ですが、デビッド・フィンチャー監督は、『マインドハンター』はシーズン5までの製作を想定しているそう。となると、シーズン5でついにBTKキラーにたどり着くのかな。実際に彼が逮捕されるのは、2005年ですから。

次のシーズンではどんな深い闇を見せてくれるのでしょうか。今回のように、新シーズンはまた2年後とかになっちゃうんだろうか…

『マインドハンター』の原作になったのはこちら


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