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【シーズン2情報追加】派手なアクションや演出は一切なし。それでも恐ろしいほどスリリングな犯罪心理ドラマ『マインドハンター』

投稿日:2018年8月27日 更新日:

現在、夏休み中の娘は私の実家に山村留学中。そう、ただ今、私は絶賛ドラマ見放題中なのです。

そこで、Netflix観始めたのが、デヴィッド・フィンチャー監督の『マインドハンター』。これが予想を遥かに超えて面白かったんです!淡々としているように見えて、常に緊張感をはらむストーリー、心の変化を丁寧に描かれた登場人物たち、そして皮肉で衝撃的な最終話。

最終話、突然のボディーブローに、もう唖然とするしかない。

先日ブログに書いた『エイリアニスト』は、犯罪心理研究の始まりを描いたドラマでした。そしてその研究を体系化し、捜査へ活かしていく方法、すなわちプロファイリングを確立していく道程を描いたのが『マインドハンター』なんです。

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『マインドハンター』シーズン2感想とシリアルキラーまとめ

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『マインドハンター』ネタバレなしのあらすじと感想

あらすじ

1970年代後半のペンシルベニア。FBIの若手捜査官のホールデン・フォード(ジョナサン・グロフ)は、人質交渉人のスキルを教える講師をしていたが、捜査員たちからは理解を得られず悩んでいた。

そんな時に出会ったのがベテラン捜査員のビル・テンチ。行動科学班に属するテンチは全米を周り、警察に対してFBIの捜査についての講義をしていた。テンチに誘われ、フォードは彼の講義のアシスタントをすることになる。

講義の後、田舎町で起こった異常な殺人事件について、彼らにアドバイスを求めてくる刑事がいた。その事件について意見を求められたフォードは、結局自分は犯罪者の心理について何も分からないことに気づかされる。

その後、殺人犯の心理を理解すべく、彼らが収監されている刑務所を訪れ、フォードたちは彼らの話を収集し始める。そして、大学で社会科学教授をしているウェンディ・カー博士を招き、フォードたちは殺人犯の心理を研究して犯罪科学の幅を広げようと思い立つのだった。

『マインドハンター』の原作になったのはこちら


マインドハンター──FBI連続殺人プロファイリング班 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ドラマの主人公、ホールデンは、著者のジョン・E・ダグラスがモデルになっているそうです。

スリリングな殺人犯との対話

フォードは講義で訪れたカリフォルニアで、エド・ケンパーという、母親を含む10人の女性を殺人犯と話す機会を得ます(このエド・ケンパーは実在の殺人犯)。

フォードは、ケンパーが注意深く知的な人物で、凶悪犯のイメージと異なることに面食らいます。確かに暴力的な人物には見えないんです。しかし、ケンパーの、どこか別の世界からこちらを見ているかのような様子にはゾッとさせられました。

落ち着き払い、言葉を選んで話すケンパーを前に、フォードも様子を伺いながら話すのですが、ケンパーとは対照的にガチガチに緊張しているのがよく分かる。どちらも声を荒げているわけじゃないのに、そこには何かが起こりそうな不穏な空気で満ちている。見ているこっちの胃がキュッとさせられます。

例えばこれが『クリミナル・マインド』なら、安心して見ていられるはずなんです。クリミナルマインドのBAUのメンバーなら、うまく殺人犯をいなすし、彼らの気持ちを収束させる術を知っているから。

それが、フォードたちはそうはいかない。彼らはまだ手探りなんです。どうやって彼らの心理を読んで、どう対応すればいいかわからないから。だからこそ、ケンパーをはじめとする殺人犯たちとの対話がこの上なくスリリングなんです。言葉を一つ選び間違えれば、文字通り悲劇が襲いかかるかもしれない。

そこが『マインドハンター』の面白いところなんです。

エド・ケンパーとの対話を重ねて自信を持ったフォードは、さらに他の殺人犯とのインタビューを開始するのです。

決して順調に進むわけじゃないリアル

大学で社会科学を教えるウェンディー・カー博士を顧問に迎え、さらに、グレッグ・スミス捜査官を新たなメンバーとしたフォードたち。自分たちが培ってきた知識と経験で、いくつかの事件を解決な導きます。

支援金も集まり、フォードは本格的に犯罪心理の研究に邁進しようとします。

自分の経験に自信を持ち始め、ますます研究に情熱を燃やすフォードとは逆に、多くの殺人犯との対話によって毒にあてられたようになっていくテンチ。カー博士は研究を体系化することに終始していて、現場の現状にまで気が回らない。この、チームのバラバラ具合がまたリアルで面白い。

FINANCIAL TIMESのインタビューで、デヴィッド・フィンチャー監督が「映画ではキャラクターを十分に描くことができない」と言っていました。さらに、「正直、車の中でコーヒーをすすりながら5ページ分会話しているシーンがあってもいい。その人間関係が面白くて、何か学ぶものがあれば。」とも。

確かに、このドラマでは会話が多いんです。刑務所での会話はもちろん、移動中の車の中での会話、フォードの恋人との会話。彼らの会話を通して、少しづつ変化していく彼らの心情や人間関係がじっくり描かれています。

青臭く、繊細なところがあったフォードは、徐々にナルシシズムを見せ始めるし、冷静でタフに見えるテンチは、殺人犯への嫌悪ばかりが積もっていく。彼らの心の変わりようが、痛々しいほどよく伝わってきます。

不気味な髭の男の正体は誰?(ネタバレしませんが、ヒントだけ)

本筋のストーリーとは別に、警備会社で働く、デニスという名の髭面の男のエピソードがしばしば挿入されます。

何の説明もなく、この男の行動が淡々と描かれていくのですが、これがものすごく不気味。結局シーズン1では本筋に絡んでくることはありませんでしたが、男の正体が気になった方も多いと思います。

私は調べちゃいましたが、ここでは伏せておきます。

どうしても知りたい、という方は、彼の名前と「BTK」というキーワードで検索をすると正体が分かります。

『マインドハンター』シーズン2はあるの?

あの終わり方は、どちらにもとれる感じではありましたよね。あそこで終わっても、次のシーズンに続いても、どちらでもあり得る結末でしたが、Netfilixはすでにシーズン2の製作を公表しています。

マインドハンターシーズン2の内容は?

デヴィッド・フィンチャー監督がBillboardのインタビューで語ったところによると、次のシーズンで扱うのは前シーズンから2年後のアトランタで起きた大量殺人事件だそうです。

マインドハンターシーズン2はいつ配信される?

『マインドハンター』シーズン2は、Netflixで2019年8月に配信されます。プロデューサーのシャーリーズ・セロンがインタビュー中にそう発言したようです。また、新たなキャストとして、デイモン・ヘリマンが悪名高い殺人鬼チャールズ・マンソンを演じます。彼はクエンティン・タランティーノの『Once Upon a Time in Hollywood』でも同役を演じています。

最後に

『マインドハンター』は、「プロファイリングで殺人事件の犯人を追い詰める」というプロットがメインのドラマではないし、派手な演出や過剰な暴力シーンもありません。

それなのに、これだけ衝撃的で刺激的なドラマになるなんて!

『エイリアニスト』を観てから『マインドハンター』を観ると、より感慨深いものがありますよ。ぜひお試しください。

『エイリアニスト』の感想はこちらから↓

犯罪心理の探求にのめり込んでいく精神科医の執念。海外ミステリードラマ『エイリアニスト』

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『マインドハンター』の原作


マインドハンター──FBI連続殺人プロファイリング班 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

『マインドハンター』シーズン2感想とシリアルキラーまとめ

海外ドラマ『マインドハンター』シーズン2。のぞかずにはいられない深淵がある。/ネタバレなし感想と登場するシリアルキラーまとめ

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