私たちが生きているこの世界は、私たちの知らない闇がどれだけ潜んでるんだ…
って思いますよね、ほんと。Netflixで配信している『ナルコス』を観てると。
ナルコスは、実在したコロンビアの麻薬カルテルと麻薬取締局との攻防を描いたドラマ。これがショッキングでスリリングで壮絶。
圧倒的な暴力の世界の中に様々な人間ドラマがしっかり描かれていて、見応えがあってものすごく面白かったです。
ナルコスは、現在シーズン3まで配信されていて、シーズン4となる「メキシコ編」は、11月16日から配信されます。
海外ドラマ『ナルコス』シーズン1、2/あらすじと感想
『ナルコス』シーズン1、2では、コロンビアのメデジン・カルテルとの戦いが描かれている
シーズン1、2では、パブロ・エスコバルという、コロンビアのメデジンという町を仕切る麻薬カルテルのボスと、アメリカ麻薬捜査局との戦いが描かれています。時代は1980年代前後。
パブロ・エスコバルは、コロンビアに巨大な麻薬カルテルを作りあげた人物。世界で7番目の富豪になったこともあるし、なんと国会議員になったことも。
パブロは、欲しいものがあれば、金と暴力をもって手に入れる冷酷な人物。一方で、心から家族を愛し、貧しい人々には施しを与えたり、私財を投じて病院などの施設を作ったり。…壮絶なエゴとも言えますけどね。
実際のパブロはこちら↓
パブロを殺せ―史上最悪の麻薬王VSコロンビア、アメリカ特殊部隊
パブロを演じるのはブラジル出身の俳優ヴァグネル・モウラですが、丸くてかわいい顔をしているんでよね。
そのせいか、シーズン1の前半では、パブロがチャーミングに見える瞬間もあってですね。(不謹慎ではありますが…)実際のパブロも、一時期はメデジンの町の人々から慕われていたようで、そういう見せ方もうまいんです。
シーズン1には、トム・クルーズが映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』で演じたバリー・シールも登場します。彼はパブロに雇われたパイロットで、麻薬を密輸することになります。
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パブロの麻薬ビジネスはどんどん拡大していき、彼の野心はついに政治に向いていきます。抑制が効かなくなっていくパブロを追うのは、アメリカの麻薬取締局(DEA)のマーフィーとペーニャ。ヒゲとぱつぱつジーンズの似合う捜査官コンビ。
シーズン1、2は、マーフィーのナレーションで物語が進んでいきます。このマーフィーの低くて気怠い声のナレーションがすごくいい。変に感情的にならず、淡々としているものだから、余計に緊張感が伝わってきます。
パブロ・エスコバル、野心の果て
順調に拡大していくメデジン・カルテルでしたが、パブロの野望が肥大化し過ぎて、パブロを慕っていた民衆やDEAはもちろん、コロンビア国家も敵に回してしまうことに。
文字通り、血で血を洗う熾烈な戦いが始まります。一進一退を繰り返す攻防戦は、多大な犠牲を出しながらも、シーズン2で決着がつきます。
粗末なアパートの一室で、パブロは部下と二人、警察から身を隠すことになるのですが、その様子が印象的でした。
コロンビア一の麻薬カルテルのトップとして君臨し、有り余るほどの富を手に入れ、思うがままに生きてきたパブロ。しかし、今となっては、これまで築いてきたものが目の前で崩れていくのを、黙って見ていることしかできない。
落ちぶれたその様子はあまりにも惨めです。部下もお金も失い一人になっては、無敵で強大な存在に見えた麻薬カルテルのトップと言えどもただの人。
あれだけ多くの人を犠牲にして築き上げてきた人生の、なんて虚しいこと。まったく同情できないけれど。
海外ドラマ『ナルコス』シーズン3/あらすじと感想
『ナルコス』シーズン3では、カリ・カルテルが台頭
シーズン3では、メデジン・カルテルに次ぐ巨大麻薬組織のカリ・カルテルとの戦いが始まります。
カリ・カルテルはメデジン・カルテルと違い、スマートで賢いビジネスのやり方をしていました。コロンビア警察とも表立って敵対せず、無用な争いごとは避け、ドラッグストアチェーンなどの合法ビジネスも営む。
このカリ・カルテルのトップ、ドン・ヒルベルトが麻薬ビジネスからの撤退を表明したことから、シーズン3の物語は動き始めます。
4人のカリ・カルテル幹部
これまでは主にパブロ・エスコバルという強大な怪物ともいえる人物にスポットライトが当たっていましたが、このシーズンでは、カルテルの幹部それぞれの物語が描かれています。
ヒルベルト・ロドリゲス
Gilberto Rodríguez Orejuela: The Chess Player #Narcos pic.twitter.com/DjCd5x0JkR
— Narcos (@NarcosNetflix) 2017年9月8日
カリ・カルテルの大ボス。経営能力に優れていて、メデジン・カルテルとは異なるビジネスのやり方を確立した人。口がうまくて交渉ごとが得意。
ミゲル・ロドリゲス
The Cali Cartel brought in billions, and Miguel kept track of every dime. #Narcos pic.twitter.com/uqwpz8L1QK
— Narcos (@NarcosNetflix) 2017年9月12日
ヒルベルトの弟。ヒルベルトの影で地味に生きてきた人。しかし、ヒルベルトが不在の際に、これまで抑圧されてきた思いが爆発してしまう。
パチョ・エレラ
Pacho Hélmer Herrera. A true patrón. #Narcos pic.twitter.com/9tXb0PcZze
— Narcos (@NarcosNetflix) 2017年9月9日
カリ・カルテルの流通と警備担当幹部。イケメンのゲイ。
チェペ・サンタクルス・ロンドーニョ
Chepe Santacruz Londoño AKA Victor Crespo. #Narcos pic.twitter.com/jDpA5xLXXP
— Narcos (@NarcosNetflix) 2017年9月13日
NYでの麻薬ビジネスを取り仕切っている。4人の幹部の中で一番の武闘派。
カルテルメンバーやDEA、それぞれの思惑が交差し、思わぬ方向に転がり始めるカリ・カルテルの運命。
シーズン3のフィナーレは、シーズン1から3まで麻薬カルテルを追ってきたDEA捜査官ペーニャの、ある告発で幕を下すことになります。
『ナルコス』シーズン4「メキシコ編」
シーズン4となる「メキシコ編」は、11月16日にアメリカで配信されます。舞台となるのは1980年代のメキシコ。残念ながらペーニャの出演はありませんが、新たなDEA捜査官が登場します。
メキシコのグアダラハラに派遣される麻薬捜査官キキ・カマレナを演じるのは、『アントマン&ワスプ』などに出演しているマイケル・ペーニャ。
そして、キキ捜査官が追うのは、ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルド。ミゲルは、メデジン・カルテルと組み、メキシコでの麻薬カルテルを拡大させていった人物。
恐ろしいながらも目を背けることができない、壮絶な物語が繰り広げられる『ナルコス』。シーズン4の配信までもう少し日があるので、未視聴の方はぜひ3まで完走しておきましょう!