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Netflix海外ドラマ感想『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』ファイナルシーズンは、不平等で不条理で悲惨さが溢れる世界に残された希望の物語。

投稿日:2019年8月3日 更新日:

パイパーの出所後から始まる『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のファイナルシーズン、ついに観終わってしまいました。

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は2013年から続いた長いシリーズだったし、それぞれの登場人物たちの物語も濃かったから、彼女たちの結末についてのあれやこれやが胸にズーンと落ちてくるシーズンでした。

今シーズンは移民問題にかなり踏み込んでいました。ドラマのクリエイターやライターたちは、実際にICE(移民税関捜査局)の施設を訪れて、その悲惨さを目の当たりにしたそう。前シーズンのフィナーレでは、フローレスがICEの施設に収容されてしまいました。

今回は思い入れのある登場人物についてつらつらと思うままに書いていくので、軽微なネタバレをしているかもしれません。ご注意を!

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』あらすじ

過去に犯した罪によって、突然、軽犯罪者向け刑務所に入所することになったパイパー・チャップマン。女性刑務所での、さまざまな犯罪者たちとの出会いや攻防をスリリングに描いたドラマ。著者(パイパー・カーマン)の体験を元にした同名の小説「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月」が原作。


オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月

実は著者パイパー・カーマンと本物のラリーも、ファイナルシーズンに出演しています。パイパーとアレックスの面会のシーン、一瞬ですが、手前に映るカップルがそうです。

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』ファイナルシーズンで印象的だった登場人物たち

○パイパー・チャップマン
罪状:共謀罪、資金洗浄。当時の恋人アレックスの指示で、ドラッグの密輸に関わった。

のっけからあれなんだけど、パイパーさ、どんどん目つきおかしくなっていってない?変に座ってない?初登場のときは、もっとパッと華やかな雰囲気なかった?

パイパーはアメリカ社会の特権階級とでも言える裕福な白人の代表格。ニッキーも立場的には似てるけど、幼少時の愛情不足のせいで、早々にドロップアウトしちゃったからね。

パイパーの出所後がとてもみじめに描かれているけど、パイパーが軌道に乗るまで裕福な父親が援助してやればあんなに辛い日々を送らずに済んだはず。「昔、パイパーを甘やかしすぎたことを反省しているから」と言ってたけど、娘が一番助けが必要なときに突き放すとか、この父親もたいがいよね。

アレックスとの関係も、アレックスの出所後はどうなるんだろうね。お金もないわ、二人揃って元犯罪者だわで、とてもじゃないけど幸せな二人が想像できない。頼みの綱は、やっぱりパイパーの父親だな。

とにかくパイパーには、本来なら経済面での救いの手があるわけで、貧困家庭で育ってきた他の囚人たちに比べてとても恵まれています。

○テイスティー
罪状:違法薬物取引、仮釈放違反

このシーズンのヒロインは間違いなくテイスティーでした。前シーズンで看守殺害容疑の濡れ衣を着せられ、終身刑になったテイスティー。

この不条理で恐ろしく不公平な人生でも、彼女は希望を抱くことを諦めずにいられるのか。テイスティーが挑む試練も、ファイナルシーズンの大きなテーマでした。

テイスティー、ほんと頑張ったんだよね。ペンサタッキーの学習サポートも、少額ローンサービス設立の件もよく頑張ってた。家庭環境が違えば、パイパーよりよっぽどいい人生が待っていたはず。彼女は今後、もっと報われてほしいよ。

○ダヤナラ、アレイダ親子
罪状:違法薬物関係、仮釈放違反(アレイダのみ)

ダヤナラとアレイダの親子関係はいびつ。自分の子供にはまともに生きて欲しい、と思うアレイダだけど、自分勝手すぎるんだよね。アレイダ自身がドラッグビジネスで生計を立てているのに、娘たちをそこから排除しようとしても、子供たちがその矛盾に気がつかないわけがないし。せめてアレイダが自分より子供たちの気持ちを優先できる人間だったらまた違う結末があっただろうけど。

シーズン5で起きた暴動後のダヤナラは、ダイナミックに変わっちゃったよね。それもとても悪い方に。マンガ描いてた頃が懐かしいよ。この子は救われなかったなぁ。

今シーズンでは、アレイダに売春行為を強いていた母親が出てくる。アレイダはその母親よりはマシだったかもしれないけど、結局、アレイダとダヤナラの間には決定的な悲劇が起こってしまいます。

○ペンサタッキー(ドゲット)
罪状:第二級謀殺。数度にわたる堕胎について皮肉を言った看護師を射殺。

ペンサタッキーの母親はジャンキーで、父親は威圧的で暴力的。そんな家庭環境で育った彼女は、シーズン1で登場したときは強烈に意地悪で不気味な奴でした。

それが刑務所内での出会いや経験を経て、どんどん毒が抜けていったペンサタッキー。今シーズンではテイスティーや、GED(高卒認定試験)コースの先生とも、良い関係を構築できてたし。

惜しむらくは、タイミングと運の悪さ。テイスティーへの弁護士からの連絡が良い知らせだったら、ルスチェックが試験監督への申請を忘れていなければ、ペンサタッキーがランドリールームに行くこともなかったのに。

○レッド
罪状:組織犯罪

○ローナ・モレロ
罪状:殺人未遂、接近禁止命令違反

レッドとローナの行き着いた先も悲しかった。レッドの威張りくさった態度は嫌いだったけど、筋の通った生き方をしていた。ローナの優しさは、周りのみんなを救っていたし。

今回はフラッシュバックでローナの過去が描かれていました。ダブルデートの帰り道、彼女が誤った判断で起こしてしまったあの事故の記憶が、じわじわと彼女の精神を蝕んでいったことが分かります。

ということはローナは収容された場所が間違っていたのね。当初、あんなに結婚にこだわっていたのも、あの事故の被害者たちのことがトラウマになってたんだね。

○ニッキー
ヘロイン所持、不法住居侵入

裕福な家庭に生まれながらも、親の愛情不足のために自暴自棄になってしまった彼女。同じように裕福な家庭出身のパイパーがあれだけ視聴者から嫌われているのに、一方のニッキーは愛されキャラ。

ラストエピソードで彼女の姿をキッチンで見た時は泣いたー!レッドのように赤いリップをきりっとひいて、ドラッグの離脱症状に苦しむ囚人を叱咤するニッキーは抜群にかっこよかった。悲しみを乗り越え、腹をくくったニッキーなら、出所しても強く生きていける。

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』ファイナルシーズンの感想

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』から私が感じたメッセージは、「こんなに問題だらけの世界に私たちは生きているんだよ」ってこと。

特にこのファイナルシーズンでは、これでもかというほど不平等や悲惨なことが当たり前のように溢れていて、耳を塞いで目を覆いたくなることもしばしばありました。そんな中で、テイスティーが見せてくれた「希望を持つ強さ」はこのシーズンの大きな救いでした。願わくば、テイスティーが見せてくれたこの強さが、世界中に広がっていきますように。


オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月

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