子供が犯人だということで、覚悟はしていたんです。
これはシーズン1以上にキツい話になると。
…そう。予想通り。めちゃくちゃ苦しいやつでした。
しかしながら、調べるほどに謎が深まり、そして点が線になる展開はシーズン2でも健在。相変わらず見応えのあるミステリードラマでした。
さて、前作は犯人の動機に焦点を当てたミステリーだったけど、シーズン2の焦点は、犯人の生い立ちと、その複雑な背景です。
『The Sinner シナー -隠された理由-』シーズン2のあらすじと感想(ネタバレなし)
ナイアガラの滝へ向かう途中、車が故障したため、13歳の少年ジュリアンとベス、アダムはモーテルに宿泊することに。翌朝、ベスとアダムのために、ジュリアンがお茶を淹れて部屋に運んできます。ジュリアンが大人になった、と喜ぶ2人。
しかし、そのお茶を飲んだ直後、ベスとアダムは痙攣と嘔吐の症状に襲われ、死んでしまいます。
警察が到着し、モーテルの近くの林の中に隠れていたジュリアンを発見。状況からしてジュリアンの犯行だということは明らか。本人も早々に自白します。ジュリアンが自分の両親を毒殺したと警察は結論付けます。
事件を担当するのは、刑事のヘザー・ノヴァック(ナタリー・ポール)。昇進したばかりで失敗が許されない立場のヘザーは、父親の古い友人であるアンブローズ刑事に、協力を要請します。
アンブローズ刑事(ビル・プルマン)は、故郷であるニューヨークのケラーに、事件の捜査のため15年ぶりに帰ることに。
浮かび上がる謎
殺されたベスとアダムの荷物を調べていると、奇妙なことが分かります。2人の着替えや荷物はあるのに、ジュリアンの荷物がないのです。
なぜ、一緒に旅行をしていたジュリアンの着替えがないのか?
そして、ヴェラ(キャリー・クーン)という女性が警察を訪れるのですが、彼女は、自分はジュリアンの「母親」だと言うのです。
では、ベスとアダムは一体誰なのか?ヴェラは本当に母親なのか?
とりあえず最初の鳥肌ですよね、ここらへん。じゃあ、誰なの、あんたたちは?!めちゃくちゃ仲睦まじくしてたじゃん、三人で!ナイアガラの滝、楽しみにしてたじゃん!
ヴェラの話を聞いてみると、ジュリアンはモスウッドというコミューンで暮らしているのだということがわかります。
モスウッド、という言葉を聞き、黙り込む警察官たち。
モスウッドというのは、社会的に地域から独立した生活共同体。そこでは多くの人々が、その共同体のルールに従い、基本的には自給自足で生活していました。ヴェラはモスウッドの管理者でした。
『The Sinner シナー -隠された理由-』シーズン2のキャスト
アンブローズ刑事(ビル・プルマン)
シーズン1でコーラの事件を解決。旧友の娘に頼まれ、ジュリアンの事件の捜査に加わる。
ジュリアン(エリシャ・ヘニグ)
13歳の少年。ナイアガラの滝への旅行の途中、同行していアダムとベラを毒殺する。
ヘザー刑事(ナタリー・ポール)
ケラーの警察署に勤める刑事。ジュリアンの事件を解決するため、アンブローズに協力を求める。
ジャック(トレイシー・レッツ)
ヘザーの父親で、アンブローズの旧友。
ヴェラ(キャリー・クーン)
モスウッドというコミューンの管理者。ジュリアンの母親だと言う。
それぞれの過去のトラウマが交差する
モスウッドと聞いて、過剰に動揺したのはヘザーでした。過去に、ヘザーの友人マリンが、モスウッドに入居してから行方不明になっていたからです。
ヘザーはジュリアンの事件と同時に、マリンの失踪事件についても調べ始めます。
ジュリアンの起こした事件は刑事訴訟となり、ジュリアンは少年鑑別所に身柄を拘束されることになります。
もうね、ジュリアンが刑務所で怯えているのを見るのが辛い…。あんな幼い子が、自分の犯した罪の意味を実感して、苦しんでいて…。もちろん決して許されることではないけれど、その犯行には何かワケがあるようで…。
そして、シーズン1のときと同じく、容疑者と心を通わせていくのはアンブローズです。
シナーは、「トラウマ」が一つのテーマとなっているドラマです。シーズン1ではコーラの過去。そしてシーズン2ではアンブローズのトラウマとなっている過去の出来事が、少しずつ語られます。
フラッシュバックで現れる、アンブローズの母親の姿や炎に包まれる家。何が起きたのか、詳しくは語られないのですが、アンブローズの過去の断片が徐々に見えてくるのです。
シーズン1では、女性に虐げられることが彼の性癖として描かれていましたが、どうやらそれは、母親と、幼い頃の火事が関係しているようで。
危うい人なのですよ、アンブローズ。ものすごく、過去に囚われてる。彼が事件の犯人に積極的に関わるのも、過去の過ちへの罪悪感からきてるような。
しかし、シーズン2ではアンブローズのトラウマの全容は描かれないし、事件解決後も、彼は過去に囚われたまま。これはシーズン3に持ち越しですかね。
ジュリアンの悪夢
アンブローズの助力のおかげで、ジュリアンの事件は刑事事件から家庭裁判所に移されます。ジュリアンは養護施設に保護されるわけですが、そこは鑑別所と違い、比較的ガードの甘い場所です。
ジュリアンは悪夢を見ます。フードを被った何者かが自分をさらう夢。昔から繰り返し見ている悪夢で、ジュリアンは必死に「これはただの夢だ!」と自分に言い聞かせますが…。
その夢には意味があったのです。そして、ジュリアンを巡るさまざまな真実がついに明らかになってきます。
ジュリアンの決意に、私、号泣でした。アンブローズ刑事も、過去のトラウマに対峙しながらも踏ん張ってくれました。
『The sinner ザ・シナー』シーズン3はいつ観られる?
『The sinner ザ・シナー』シーズン3は『ホワイト・カラー』のマット・ボマーが出演。2020年2月6日に現地で放送予定です。まだ日本での配信についてはアナウンスされていないようです。
最後に
ミステリーという点だけで言えば、シーズン1の方が見どころが多かったけど、それ以上の人間ドラマに仕上がっていたのが本作。アンブローズの過去もまだまだ描ききれてないし、このシリーズはまだまだ見せてくれるはず。シーズン3も期待してますっ!
シーズン1の感想はこちら↓
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photo:USA network