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海外ドラマ感想/2PACとノトーリアス・B.I.G.の事件を追った『unsolved 未解決ファイルを開いて』

投稿日:2018年9月7日 更新日:

実はタイトルにピンとこなくて、しばらくスルーしていたNetflixで配信中の『unsolved 未解決ファイルを開いて』。ちょっとした青春時代の思い出と、未解決ミステリーへの興味に突き動かされて、視聴してみました。(ドラマのタイトルがもったいないよね、これ。民放の特番のタイトルみたいじゃないですか?ぶつぶつぶつ…)

私は中学生の頃に洋楽にハマって、当時、よくMTVを観ていました。ある時期、MTVのヒットチャートでよく流れてた曲がPuff Daffyの"I'll Be Missing You"。

ヒップホップに疎い私は、「何やらノトーリアス・B.I.G.というラッパーが射殺されて、その彼を偲んで作った曲らしい」ということは知っていたんですが、「去年は2PACとかいうラッパーの人も殺されたらしいし、やっぱりヒップホップの世界って怖いんだな。ブルブル…」ぐらいに思ってました。

(今気づいたけど、ノトーリアス・B.I.G.の元奥さんのフェイス・エヴァンスが歌ってるのね。)

しかしその二つの事件が未解決で、しかも初期の担当刑事による暴露本が出ていたとは!

ドラマを観ていて、事件関係者が多すぎてところどころ混乱してしまったものの、とにかく抜群の臨場感があってとても良かったです。ドキュメンタリーに近いけれど、ストーリーもしっかりしていて、見ごたえがありました。

『unsolved 未解決ファイルを開いて』あらすじ

元ロサンゼルス警察の刑事ラッセル・プールへの取材を下敷きに、ランドル・サリヴァンが書いたノンフィクション小説『LAbyrinth』を原作としたクライムサスペンスドラマ。

ラッセル・プール刑事(ジミ・シンプソン)は、相棒のフレッドとともに、人気ラッパーのクリストファー・ウォレス(通称ビギー/ノトーリアス・B.I.G.)が何者かによって射殺された事件を捜査していた。調べを進めるうちに、プールは、前年に起こったトゥパック・シャクール(通称2PAC)殺人事件とのつながり、ロサンゼルス警察の関与を疑いはじめる。

プールの捜査をよく思わない警察署長により、プールは捜査を外れることになり、その後の捜査自体も難航。事件は未解決のまま、約10年が経った2006年、ビギー殺人事件の解決に向けて、グレッグ・ケイディング刑事をリーダーとする特捜班が組織される。

2PAC殺人事件とビギー(ノトーリアス・B.I.G.)殺人事件

まずはドラマの題材となっている二つの未解決殺人事件とその背景について紹介しておきますね。このドラマは、それらの事情を知っていた方が、より入り込んで観られると思います。

2PACとビギーが代表するヒップホップ界の2大勢力の抗争

西海岸を代表する、2PACやスヌープ・ドッグが所属するデス・ロウ・レコードと、東海岸を代表する、ビギーが所属するバッド・ボーイ・エンタテインメントは1990年代の二大ヒップホップレーベルでした。

こちらが2PAC↓


トゥパック・グレイテスト・ヒッツ

こちらがビギー(ノトーリアス・B.I.G.)↓


Greatest Hits

1994年11月30日、2PACはスタジオのロビーで3人の男たちから5発の銃弾を受け、身につけていたジュエリーを強奪されました。

この時、同じスタジオに、ビギーやショーン・コムズ(パフ・ダディー)がいたことから、2PACはこの事件を彼らの策略なのでは、と疑念を持つことになります。こうして、デス・ロウ・レコードとバッド・ボーイ・エンタテインメントの対立はエスカレート。ヒップホップ業界の東西抗争などと言われ、元々は友人同士だったビギーと2PACの間にも、亀裂が入ります。

2つの未解決殺人事件

1996年9月7日、2PACは友人のマイク・タイソンの試合をラスベガスで観戦していました。試合後、2PACはギャングの「ブラッズ」のメンバーと共に、会場で居合わせたギャングのオーランド・アンダーソンに暴行を加えます。

その後、車で移動する際、横付けされたキャディラックから銃撃を受けたのです。2PACは銃弾を4発被弾し、6日後の13日に死亡。2PACは25歳でした。

翌1997年3月8日、ロサンジェルスで開催されたパーティーにビギーは出席していました。パーティー会場を後にしたビギーたちは、会場近くの信号が赤になったため車を停止させると、横付けした車の運転席から男が発砲。ビギーは胸に銃弾を4発受け、9日早朝に死亡。享年24歳という若さでした。

どちらの事件も犯人が特定されず、20年以上経った今でも事件は未解決のままです。

『unsolved 未解決ファイルを開いて』の感想

3つの時間軸で展開されるストーリーは、見ごたえたっぷり

このドラマでは、3つの時間軸の物語が同時進行していきます。

  1. ビギーと2PACが出会ってから凶弾に倒れるまで。
  2. プール刑事がビギー殺害事件の捜査を始めてからノンフィクション小説『LAbyrinth』が出るまで。
  3. ビギー殺人事件から10年後、ケイディング刑事をリーダーとするビギー殺人事件を再捜査する特捜班が組織されてから、ある結論にいたるまで。

最近多いけど、こういう異なる時間軸を同時進行させる見せ方、大好きです。それぞれの物語の結末が最後まで分からないし、 別々の時間軸の登場人物がクロスオーバーするときなんて鳥肌ものです。

歯がゆい捜査の先に

ジョシュ・デュアメル(元ブラック・アイド・ピーズのファーギーの元夫だったんですね。)演じる刑事ケイディングは、ビギー殺害の犯人について、いくつかの推論を特捜班メンバーに提示。それぞれの推論に基づいて、事件関係者への聞き込みを始めます。

しかし、ギャングたちは仲間を売ることを極端に嫌がるし、報復を恐れてなのかまともに話してくれない。手がかりを辿っていっても、最後までたどり着けない。ドラマの中では、そんな歯がゆい捜査状況が続きます。事件未解決のまま10年が経っていますからね、そんなに簡単に新事実は出てきませんよね。

では事件当時はどうだったのかというと…

ジミ・シンプソン演じる刑事プールは、事件に警察が関わっているとして捜査を押し進めるのですが、これが周りから反感を買い、担当を外されてしまいます。警察としては、万が一汚職があったら、それを世間に公表することになるのは避けたい、という目論見だったんでしょうか。

プールが担当のままだったら、事件は解決していたかもしれませんね。ドラマにも出てきますが、ビギーや2PACの母親のことを思うと、ほんとやるせない。

ところで、ケイディングの捜査パートは聞き込みをする関係者が多すぎて、たまに置いてけぼりになっちゃってました、私。関係者がみんなギャングかドラッグディーラーなので、ケイディングは彼らの軽犯罪を見逃すかわりに、事件の証言をさせようと取引を持ちかけます。でもみんな犯罪者だから、ケイティングが一体誰と取引したのか分からなくなる私。途中から関係者を覚えるのを放棄。

でも大丈夫。本筋だけ追っていれば大丈夫。それでも十分面白いです。

ケイディングたちの捜査は一進一退を繰り返していたのですが、あるとき、ついに犯人特定まであと一歩のところまでたどり着きます。彼らはかなり真相に近づくんですよ。最終話のタイトルも「未解決…?」ですからね笑 プールが『LAbyrinth』で語ったことがすべて事実なら、犯人はあの人。

事件から10年後、特捜班がたどり着いたのがどんな結論で、どんな結末だったのか、ぜひドラマでチェックしてみてください。

ジョニー・デップの主演で『LAbyrinth』が映画化

ドラマの原作となった『LAbyrinth』ですが、『City of Lies』というタイトルで映画化され、ジョニー・デップがラッセル・プールを演じます。映画『City of Lies』でプールと組むのはジャーナリスト。二人は、2PACとビギーの事件の捜査が進まない原因を突き止めようと奔走し、LA市警の腐敗を暴こうとします。

※偶然にも、映画『City of Lies』は今日(9/7)から全米で公開されるみたいです!(日本での公開は未定)映画のトレイラーはこちら↓

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